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死ぬのは怖い。
だがそれよりも蘭を失うことの方が怖い。
だから私は、愛しい蘭の血となり肉となることを選ぶ。
蘭の心の中で生き続けられたら、それで十分だ。
「い……嫌だっ!セーサイがいなくなるなんて、絶対に嫌!」
だが蘭はふるふると首を左右に振ってそれを拒絶した。
「そんなの、死んだ方がマシだ!オレはどうなってもいいから、セーサイは生きて!」
涙で潤む瞳で俺を見上げて蘭が叫ぶ。
「蘭……頼む」
酷いことを言っているのは自分でもわかっている。
私がいなくなれば、蘭はまた一人になってしまう。
だが、他に良い方法があるとは思えなかった。
「嫌だ、嫌だぁ……っ!」
何度も首を振りながら、嫌だと繰り返す蘭。
こんなにも感情を剥き出しにした姿を見たのは、これが初めてだ。
「嫌だ、セー、サイ……」
力なくそう呟いて、突然蘭がその場に膝から崩れ落ちた。
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