平安幻夜録~魂、満ちる刻~

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目を覚ますと、心配そうにオレを見下ろしているセーサイがすぐ隣にいた。 オレ、布団に寝かされているみたいだ。 セーサイが馬鹿なコト言うもんだから、オレはめいっぱい怒った。 そしたら、急に力が抜けて目の前が真っ白になったんだっけ。 最近、身体が重いんだ。 それに……どれだけ眠っても眠い。 多分、オレはもうすぐ死ぬんだろう。 日に日に自由が効かなくなってく身体はきっと、そのうち動かなくなる。 でも……イイんだ。 セーサイを喰って生き延びるよりも、オレが死んだ方がずっとイイ。 セーサイは初めて出来たオレの大事な人だから。 ずっとずっと、笑って生きていてほしいんだ。 ……オレが死んだら、セーサイはまた泣くのかな? それはやっぱり嫌だけど、死んじゃうよりかはマシだ。 生きて?セーサイ。 オレ、セーサイが毎日見上げてる星になって、ずっとずっと見守ってるから……。
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