平安幻夜録~魂、満ちる刻~

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「……ふ」 セーサイがオレを抱きしめる。 あったかくて、柔らかくて……ヘンな感じ。 動いてもいないのに息が乱れて、身体の奥がじんわり熱くなってくる。 「……っ、セーサイ……!」 セーサイの手がオレのほっぺたや首筋を優しくなぞっていく。 そのたびに身体がぴくぴくと跳ね上がって、魚になったみたいだと自分でも思った。 その後は身体じゅうにセーサイの唇が降ってきて、オレは何度もくすぐったくて声をあげた。 「蘭……」 甘い声がオレを呼ぶ。 もっと名前、呼んでほしい。 セーサイのすべすべした肌がオレの肌と擦れ合う。 「蘭……続けても、良いのか?」 「イイ。もっと、してほしい」 返事をしたら、セーサイがオレの上でにっこりと笑った。 その直後、ぐっと熱いモノがオレの中に入ってきて、頭が真っ白になった。
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