平安幻夜録~魂、満ちる刻~

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セーサイが動くたび、喉から高い声が洩れた。 こんな声……知らない。 今まで自分でも聞いたコトがないような声だった。 「セーサイ、セーサイっ!」 「可愛いな、蘭は……」 ヘンになってしまいそうで、オレは懸命にセーサイにしがみついた。 セーサイの白い肌はうっすらと桜色に染まっていて、うっとりするぐらいに綺麗。 胸が熱くて、 身体も同じくらい熱くて。 泣きたいくらい、幸せ。 セーサイと出会えて、本当に良かった。 オレは“大好き”を噛み締めながら、何度もセーサイの名前を呼び続けた──……。
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