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二人の心と身体が一つになったあの時、私の魂を蘭に分け与えることが出来たようだ。
私の魂と同じ色に染まった蘭。
私と同じ色の目が、髪が、それを物語っている。
代わりに私は陰陽師としての力をすっかり失ってしまったが、そんなもの蘭の為ならば未練なく捨ててやる。
広いだけの空虚な住まいを離れ、今は村のはずれに建てた小屋で二人で暮らしている。
生涯、蘭と共にいられさえすれば私は……。
「セーサイ!ねぇ、聞いてるのっ!?」
「あぁ、聞いている」
いつぞやは二度と聞けないかもしれないと思っていた、私を呼ぶ蘭の声。
私は蘭を思い切り抱き締めた。
今はもう、力強く抱いても平気だ。壊れたりするものか。
「……セーサイ?」
不思議そうに首を傾げ、こちらを見上げる蘭が愛しい。
そうやって何度でも呼んでくれ。
蘭……
私の大切な、魂の半身──。
【終】
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