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華奢で小柄な身の丈。
人間でいうと15歳程度の少年に見える。
無表情にこちらを眺めている様子からは、不思議と敵意が全く感じられない。
「……子鬼よ。そこで何をしている」
驚きのあまりひとまず話しかけてはみたものの、鬼が人の言葉を理解できるとは思えなかった。
「……“コオニ”?ナンだ、それ?」
しかし驚いたことに、すぐさま返事が返ってきた。
透き通った高めの声で間抜けなことを尋ねつつ、きょとんとした顔で首を傾げている。
「惚けるでないわ。……退治してくれる」
魔除けの護符を取り出し、呪文を唱える。
鬼一匹ごときならばすぐさま消滅させてしまう術だ。
陰陽師としての修業を積んできた私にとって、恐るるに足りぬ相手といえよう。
「……破っ!」
みなぎる力を術にのせ、気合いの声と共に護符を投げ付けた。
まばゆい光を放ちながら札が子鬼の額目がけて飛んでいく。
が──、
目の前の子鬼は私の術を受けても平然としていた。
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