9章 傭兵大国

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「テメェら俺達を舐めてるのか!!アァん!!?」 「次々来いやぁ!!」 支援効果───いや、暗示とは恐ろしいもので、ロドルフォとカッシオはメイに近づく輩を次々とぶっ倒していく。 ジャンヌの暗示力には到底及ばないが、それでも"親衛隊"としての忠誠心はジルドに並ぶかもしれない二人だ。 バーサーカーとまではいかないが、狂犬と言うくらいのキレっぷりはある。 しかし、この暗示、長くかければかける程負担も大きい。 5、6人のラゴス隊を蹴散らした所で、メイはそろそろ潮時だと悟る。 「(制御が効かないのが難点なのよね)」 暗示にはその者が持ちうる限界の凶暴性を引き出す催眠がかけられている。 暗示が効けば、二人はその身が滅びるまで戦い続けるのである。 本心としては自分達の本来の力で戦って欲しい所だが、いかんせん"のびしろ"が悪い2人だ。 こうでもしなければ簡単に殺されてしまう。 「(闘技場でしっかり強くなってもらうわよ~)」 グラウデンに来たのであれば、経験値をあげてもらわ無ければ意味が無い。 メイはパチンっと指を鳴らして暗示を解く。 チェリルが上手く動き回っているお陰で、戦況は完全に勝勢。 「(さて・・・と、そろそろ私も動こうかしらね~)」 二人の善戦で敵が散り散りになったのを確認し、メイはいよいよ皮を破る。 当然、狙いは───ラゴスだ。 「っ、くっ!」 「おらっ、そろそろ限界だろ!」 ラインとラゴスの唾競り合いは、ラインが完全に振り回される状況になっていた。 「うわっ!?」 ラゴスはわざと後ろに引いて、ラインのバランスを失わせて地面に転(こ)かした。 「(ダメだ・・・もう足が動かない)」 筋肉をフルに使って踏ん張っていた為、スタミナよりも乳酸が限界だった。 「死ねやクソガキ!!!」 ラゴスは死ぬ前の言葉など残させもせず、ラインの脳天に剣を振るった。
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