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(────ィィンッ)
「あらあら~、大きい剣の割には大した威力じゃないわね♪」
メイは隠していた短剣一つでラゴスの一撃を受けきった。
正確には流し受けだ。
相手の攻撃をいなしたまま、ゆっくりと攻撃力を相殺する。
合気にも似た技術をメイは習得している。
「なっ!!てめっ!!」
気配も見せず割って入ったメイの姿に、ラゴスは驚愕の表情を浮かべた。
「(短剣一本で受けやがっただとぉ!?)」
またもや豪腕(プライド)に亀裂が入る。
しかも、今回は短剣───の中でも盗賊などが使うナイフだ。
「タダモンじゃねぇな・・・?」
「ふふ、タダで買える商品は無いでしょ~?」
メイは冗談を交えて、素性を隠す。
「・・・あの荷馬車は囮だな?」
ラゴスも早い段階で荷馬車の中に"仕込み"がある可能性は考えていたが、確証は無かった。
だが、スライが囮程度に殺られるはずは無いという自信もあった。
「こっちが囮かもしれないわよ~?」
「何だと?」
それを聞いて僅かに冷や汗が滴る。
行商人の強さで囮ならば、荷馬車の仕込みはそれ以上の刺客がいる事になる。
「傭兵の動きなんて全部読み筋・・・トランプゲームより簡単よね」
女の傭兵は強さよりも知能で勝負する。
当然、強さもそこいらの傭兵に比べれば段違いに強い。
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