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「・・・何処のギルドだ?」
「あら、何でギルドだと思うの?私は女よ?男達に守って貰わないと生きていけない"弱い女"」
女は子作りと家事に精を出す生き物。
それ以外は望まないし、やらせない。
グラウデンの男女関係は、いわゆる亭主
関白なわけだ。
「匂いってのがあるだろうが、場馴れした傭兵特有の匂いがよ」
「ふふ」
メイは思わず笑みを溢した。
実力があれば、女であれそういう匂いを出してしまうのだ。
本人がやり手の行商人を名乗っていても、同業者の鼻は誤魔化せない。
「他の連中は何だ?どっかのギルドと結託したのか?俺らにそんな大層な懸賞金がかかってるとも思えねぇがな」
「そうね~・・・あなた達の首なんて二人合わせて1万がいい所かしら」
戦った感じで、ラゴスの懸賞金をざっと頭で計算したメイ。
闇ギルドの賞金首は山の様にいて、多少腕の立つ賞金首でも懸賞金はせいぜい5千がいい所だ。
「・・・舐めやがって!!」
ラゴスは歯を食い縛ってメイの受けをおしのけた。
「舐めてるのはどっち?」
ラインの様にはいかない。メイはナイフの利便性───スピードを駆使してラゴスを攻める。
(───ッッ───ッッ)
「(はえぇ!!この剣じゃ防ぎきれねぇ!)」
鋼の大剣では、さすがにナイフを持つメイのスピードに追い付けない。避けるのが精一杯だ。
「(だが、短剣程度・・・わざと受けてカウンターを見舞えば終わりだ!)」
女の腕力なんざ、取るに足らない───ラゴスの心理に、まだ女に対する偏見はあった。
「(おら、ここ狙って来いや!)」
わざと急所には届かない脇腹に、わざと隙を作る。
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