始まり

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「この鍵がこの山荘の合鍵となっています。極端に人を嫌った烏丸氏は極親しい親戚にしかこの合鍵のありかを知らせていなかったそうです。」  「...そんな合鍵のありかを何であんたが知っているんだね?」  「ある情報屋から聞き出したんですよ。いやぁ...骨が折れる気分でした。」  「それで、中に食べ物は用意してあるのか?」  「ご安心下さい。蒔田様。当社で前もって山荘に運び込んでいます。電気、水、ガスもきちんと通っていますので中では快適に過ごせますよ。」  「そうかい。そいつは良かった。」 山荘のドアに鍵が差し込まれる...。低い乾いた音を立てて扉が開いた。
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