第二章 これから…

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~エスウト/宿屋/ロビー~ 「おや、早いね!さ、ご飯はできてるよ、食べていきな」 確かにテーブルには、パンと肉の丸焼きと、牛乳が……………… 「すいません、バターとかってないんですか?」 「なんだい、そのバターってやつは?」 「この、牛乳を使って作るんですよ!」 凛がそう言いながら、牛乳のコップを持ち上げた。 「これ、平均質化の処理してないですよね?だったら、数日放置してみては?」 「なんか、ドロッとして汚いのが浮いてくるじゃないか!」 「それが重要なんですって!」 何故か料理以上のことができる妹にもう驚きはしなかった。 この前何故そんな知識が必要なのか聞いてみたところ、お嫁さんになってあげたい人が居ると言っていた。 そんな風に思って貰える人が居るなんて、そいつは幸福者だなぁ…………………… まぁ、妹の好きな人のために、早く帰る方法を見つけてあげなくては! で、会話を聞き逃していたが、どうやら、女将に気に入られ、凛はこの宿屋で働くようになったようだ。 「んじゃ、俺もボチボチ仕事探しにいってきますかねぇ~。あ、そうそう、女将さん!妹のこと面倒見てもらっていいですか?」 「むしろ、こっちが面倒見られそうだよ!いいさ、行ってきな!」 「うん、行ってらっしゃい、お兄ちゃん」 「おう~んじゃ、ちょっと行ってくるわ」 そう言って俺は宿屋を出た。
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