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ところで、このパニクってるユークをどうしようか?
『一度連れて帰らない?身寄りもないみたいだし、ちょっと気になることもあるしね』
ふむ…………他に案も思い浮かばないし、連れて帰るか。
でも、俺の泊まってる宿屋に急に連れてくのは怪しいから、自己紹介しておこう。
俺は、ユークの前に姿を現した。
「やぁ、はじめまして。俺はレイ・ラムズスっていうんだ」
「あ、ああ、我はユークという」
動揺しながらも答えてくれた。
「知ってる。だって、ずっと勇者とのやりとり見てたもん。あ、ちなみに、勇者のところを回復して強くして、ここにアンタを連れてきたのも俺ね」
「それを言ってどうしようというのだ?」
流石魔王の側近だね、警戒心強いや。つか、もしかして警戒心強めちゃった?
「なぁに、ちょっと俺についてきてほしいだけだよ」
「 ふむ、勇者が急に強くなったと思ったら貴様が関与していたか。面白い!少し話を聞かせてもらおう」
おお、助かる。
んじゃさっそく………彼の肩に手を置きもう一度転移した。
【シュン!】
~東の町 スートイ/宿屋~
【シュン!】
「はぁ!?転移陣もなしに転移だと!?バカげている!あり得ない!」
またユークがテンパってるよ……………
「あ~………ほら、どっかのお偉いさんも言ってるだろ?あり得ないなんてことこそあり得ないってな」
諦めたのか、ユークはそれ以上考えてはいなかった。そういうものだと思うようにしたらしい。
【カランカラン】
「おお、お帰り、今回は早かったんだね」
宿屋の女将さんが出迎えてくれた。
「嬢ちゃん達なら今は食堂で働いてくれてるよ。なんでも、アンタの役に少しでも立ちたいってさ。あんなにいい娘達は居ないよ!」
う~ん………俺達だけ部屋に先に帰ってるなんてズルいよな…………
~東の町 スートイ/宿屋/食堂~
と、いうことで、今は皆でお店のお手伝いをしている。
『ユティもそろそろ出ておいで』
『ん、すぐいく』
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