第九章 勇ましき者の足どり

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【パァァァ】 俺の体から小さな光の粒が出てきて集まり、人の形を成す。 「ああ、そういえば、ユークは初めましてか。紹介するよ、この子はユティ。俺の使い魔だ」 ユークはまた戸惑っている。 「う……うむ、我の名は「あ、いいわよ、自己紹介は。この人の中で見てたし」うぬぅ………」 ユティは俺の方に指をさす。 と、いうか皆がさっきから鋭く睨んできてるのがすごく気になる。 「なぁ、ユティに頼みたいんだけど、ユークの面倒見てやってくれないか?」 ちょっと睨んでくる理由も聞きに行きたいしね。 「別にそのくらいならいいわよ」 うし!じゃあ、行ってくるか……… ~宿屋/食堂/厨房~ ここは料理を作っている人が見える作りになっていて、中にいる凛と、スティアが見える。 調理素材が全て無くなって一段落付いたみたいだ。 「なぁ、何で俺のことを睨んでたんだ?」 「ねぇ、もしかしてこれって?」 チラチラとスティアとアイコンタクトを取りながら、凛はスティアと話をしている。 「ええ、絶対気付いてませんよね……………」 「「はぁ………」」 何のことかサッパリわからない。 というかまず、お帰りとかは無いのかな? 「「あ、忘れてた、お帰りなさい」」 思った瞬間にそういうこと言われると、なんだかシンクロしてるみたいで嬉しい。 「おう!ただいま!頑張ってくれててありがとうな!」 俺は自然に微笑みながら彼女たちの頭に触れていた。 10分位すると、何だか客席の方が騒がしくなった。 と、言っても既に食堂に残っている人はリリィとユウとユークを除いて一人だけなのだが………… ~宿屋/食堂/客席~ 「オルァ!もっと酒出せやゴルァ!」 酔っているのか、顔が真っ赤なおっさんがリリィと、ユウに向かって暴言を吐いていた。 これは止めないと!あのおっさんが危ない! ん?なら、放っておけば、あのおっさんは自業自得?まぁ、もう少し成り行きを見守るか………… 頼む!リリィよ、キレないでくれ! おう思いながらおっさんの方に目を向けると、声も聞こえてきた。 「あぁ!?もう酒はありませんだと!?」 「もう何も残っていないから人が少ないのじゃ、それにお主はちと飲み過ぎであろう。早く自分の部屋に帰るがいい」
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