最終章 全てがハッピーエンド!……………あれ?

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~東の町 スートイ/宿屋/自室~ あれから、各自自分の部屋に帰り、休息を取ることになった。 夜に動くのは得策ではない。それは、俺達人間が暗闇で生活できるような器官を持ち合わせていないからだ。 それに対して、魔物達からすれば、夜は絶好調の時である。夜になると彼らの肉体の活動は活発になり、夜目がきくし、嗅覚なんかでも相手の位置がわかる。 まぁ、要するに、今突っ込んだら逆に奇襲されて返り討ちにあうということだ。 だが、結界が破壊された今、魔王達は今夜動かないと攻め込まれるのは目に見えている。何故逆に此方に攻めて来ないのか?それは、俺が魔王達を丸ごと結界で封印しているからだ。 この結界は俺の使える中で最大の強度と扱いやすさを誇る。結界を張り続けるには一定の条件が必要になる。 例えば、陣を消されないようにするとか、魔力をずっと流し続けなくてはならないとか……………etc. たくさんある種類の中で、俺が多用して気に入っているのは、最強の強度を誇り、さらに条件が軽い物である。その条件とは、“張っている間は意識を失わない”事だ。 なので、眠らないためにこんな思考をしていた。 あれ?そういえばユークはどうした? 『なぁ、ユティはユークに聞きたいことがあったんじゃないのか?』 『あ!そうだった!うっかりしてた!ついでだからアンタも付いてきなさい!場所は、さっきの食堂ね!』 はぁ…………忘れてたのか…………まあ、行くか。 ~東の町 スートイ/宿屋/食堂~ 「はぁ、聞きたいこと?」 うんうん、とユティがユークの話を腕組みしながら聞いている。 「そう、アンタの仕えてた魔王とやらは人間に憎しみとか抱いてたの?それとも、急にそんなこと言い出したの?」 「あぁ、そのことか…………あれはもう一年前位だったか………急に我に申されたのだ、人間界を滅ぼしにいく。と。その時も今も私は何故あの方がそんなことを言い出したのか分からない」 「う~ん………もしかして魔王を牛耳っているやつが居る?」 「そう!そういうことかもしれないって思ったのよ!だからユークに聞いたの!しかも、その線が濃厚になってきたわ!」 ああ、そうか一年と言えば、俺達が召喚される少し前だもんな………… と、いうか、もうすぐ俺達が召喚されてから一年か…………親父元気かな?お袋も……
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