1199人が本棚に入れています
本棚に追加
イヤイヤイヤ、確かこの世界の人たちは世界突破はおろか、空間転移もままならないハズだぞ!?
そんな状況でこの世界の人たちが魔界に侵略できるはずがない!それは真也が一番わかっているはずだ。
『その侵略してきた奴をお前は見たのか?』
『いや、我は聞いたのだ!貴様らが荒らした場所、見たぞ!その凄惨さたるや、言葉にできぬほどであった!』
『なら、その話は誰から聞いた?』
『ロクア…………と言ったか?そやつが我に申してきたわ!』
ロクア…………確か、“オレは全ての悪の味方!”みたいなこと言ってたな。
まさか………………悪の味方になる以前に悪を作り出したか?
『じゃあ、そいつが魔界に攻撃して、アンタに見せただけだとしたら?』
『そ…………そんなはずは!』
『そんなはずないってか?考えられないことも無いぜ?しかも、証拠になるロクアって奴は姿を見せないぜ?』
いや居るには居るんだ。ただ、その部屋の隅でほくそえんでいるだけで!
ふぅ、俺も一肌脱ぎますか!
【シュン!】
~魔王城/魔王の間~
「アンタは今お邪魔なんで、連れていかせてもらう!」
俺は部屋の隅で笑っているロクアの肩に触れて転移する。
「な…………しまっ!」
時既に遅し。気付いたときには魔王の間を抜け出しており、二人は西の町 エスウトの外側の草原に来ていた。
~西の町 エスウト/外側~
ふむ、なんとかロクアの不意をついてここまで引っ張ってこれたのだが、どうしたものか…………
「今度こそアンタの仕組んだことを吐いてもらうぞ!」
「ヒャーッヒャッヒャッヒャッ!何を教えればいい?世界制服?人類撲滅?世界崩壊?」
狂ってやがる…………
「アヒャヒャヒャヒャ!オレから情報を聞き出したかったら力ずくでこいや!」
やっぱ…………そうなるよな
『ふむ、どうやら貴様の交渉とやらは失敗のようじゃな!』
「どういう経緯かは分からないが、向こうも交渉決裂のようだ。俺もお前は止めなきゃいけないと思うしな」
~sideout~
【ヒュン!】
そんな音とともに二人の姿が消えた。
次の瞬間にはキィンキィンという金属同士がぶつかる独特の音が聞こえてきた。
「ヒャハッなかなかやるじゃねえか!」
「こちとら伊達に元勇者やってないんでね!」
言葉を交わした瞬間にはレイは上段の構えに、ロクアは防御の体勢に入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!