最終章 全てがハッピーエンド!……………あれ?

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真也達は、どうにか魔王とギリギリで戦えている状態だった。 真也とガストとミケが、多彩な連携で魔王に的にされず、攻撃を回避しながら、反撃していた。 それでも、攻撃を受けるときはあるし、直撃しそうになりかけることもある。 しかし、その度に弓使いのセフィアが間に弓をうったり、回復の魔法をつかったりして均衡状態を保っていた。 だが、そんな均衡状態にも変化が訪れた。攻撃しながらも、少しずつ溜めていた魔力で魔王が魔獣/ケルベロスを召喚したのだ。 地獄の番犬といわれるだけあって、その力は強大であった。 真也達は5メートル程の巨体と、三つの頭から繰り出されるトリッキーな攻撃により、ボロボロにされてしまった。 そろそろ、一肌脱ぎますか! と思ったが、自分で集めておいてなんだけど、皆の目が邪魔だなぁ…………… 『この映像をみている皆さんにお願いがあります!勇者がピンチなのは一目瞭然ですよね?なので、手を組み、目を瞑って、祈ってください。彼が勝てるようにと。それがきっと彼の力になるはずです!』 俺は声を変えて呼び掛けをした。 少し待って、そろそろ動こうとした矢先に、不思議なことが起こった。 小さな光の玉が真也達の体へ集まっていく。 水晶を動かして光の発生源を見てみると、世界のいたるところから光が立ち昇っていた。 町から、村から、城から、もっと言うと、人から小さな光が出ていた。小さいながらも、数が多く、一つ一つに力が込められていた。 『なんだ!?凄く力が湧いてくる!』 『アタシもなんだニャ!』 『私もです!』 『拙者も!』 ふむ、これは…………今回は俺の出番はなしかな? 【ズバァ!】 【ゴスッ!】 【グサッ!】 【ドスッ!】 真也が切りつけ、ミケが殴り、ガストさんが突き刺し、セフィアが撃ち抜く。 完全に攻撃が入るようになり、ケルベロスは、凄まじい咆哮とともに………絶命した。 『な…………何が起こっておる!?バカな!我の最大の僕であるぞ!?』 俺も少し気になったので、水晶越しだが、真也を<解析>してみることにした。 すると、表示される情報のなかに、abilityという枠が増えていて、その隣にall for oneと書かれていた。 実際に近寄ってみれば特殊能力も分かるのだが、今は離れてしまっているので、それ以上のことは分からなかった。
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