最終章 全てがハッピーエンド!……………あれ?

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魔方陣が魔王の足下に展開し、魔王の足から頭にかけてゆっくりと魔王の体を消しながら昇っていき、やがて魔王の体は完全に消え去った。 『その魔法は永遠に自分のしてきた罪を懺悔させ続ける場所に送り込む。まぁ、もう聞こえていないだろうがな…………』 そこまで映像を作り、俺は水晶を破壊した。 「と、まぁ、俺の考えた結末はどうだったかな?」 「最悪じゃ」 「うむ、最悪じゃな」 「最悪であろうな」 上からディセ、リリィ、ユーク、の順番だ。 まぁ、俺も酷い出来だったとは思うが………… 「いいか?お前が良くても、周りが許さないなんてことざらにあるんだ。そこにいかに対処するかが重要なポイントなんだぜ?」 「うん、肝に命じておくよ」 従順な事で、よろしい! 「自分で考えた魔法なのに、自分でも怖いと思ったよ」 「そんな恐ろしい魔法を使うオレは恐れられるんじゃないのか?」 「いや、案外この世界には魔法を悪用するバカが大勢いて、そいつらの抑止力になってくれるなら世界の人々にとっては万々歳だろうね。あ、そうそう、魔王さん、アンタもう居ないことになってるから」 「は?何故じゃ!何故我だけが!?」 「ん~…………唆されてたっていうのもあるけど、一番はアンタの勘違いから始まった事だから、その辺はきっちり落とし前つけてもらわなきゃね。アンタの放った魔物のせいで何人も殺されてるんだから」 「なら、そんな我を何故生かす必要がある?」 「その辺は真也に聞いてくれよ。俺に聞くのはお門違いってやつだよ」 はぁ、どんな待遇待っているやら……………? ~帰りの道/馬車の中~ 行きも帰りも何故か魔物が湧いていた。 あれ? 「なぁ、魔王さん。アンタが魔物を放ったんじゃないのか?」 違うんだろうな。でなきゃ帰りも魔物が居るはずがない。 なら、魔物はやっぱり、生まれるべくして生まれたってことか。 「ああ。我は魔物を操るこの指輪をもらっただけじゃ」 「誰から?」 「ロクアに」 ますます怪しいな! 指輪を少し解析してみると、確かに対象を操ることが出来るらしい。 人間もいけるみたいだ。 と、そんなことより、隣に居る真也に解析の目を向けてみた。
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