最終章 全てがハッピーエンド!……………あれ?

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真也を解析してみると、abilityの欄のall for oneの説明が書かれるようになっていた。 真也が首をかしげていたが、気にしない。 【all for one これを持つ人の姿を他人が見て、何かきっかけとなるものがあると、無条件でこれを持つ人のために力を分け与えたくなる】 説明がよくわからないが、今回の件を例に見てみると、きっかけとなったのは俺の言葉だと思う。そして、真也に集まりだした光は映像を見ていた人々の力か。 ふむ………勇者らしいな。 次に俺は馬車の床にのの字を書いているスティアに目を向けた。 【甘え上手 異性にのみ有効。ちょっとしたお願いでも、重要なお願いでも、確実に実行させる。】 この能力は言わない方がいいかも? 「ん?どうしました?やっと私にも構ってくれる気になりました?と、いうか私にも構ってくださいよ!いつもいつも、リリィちゃんやユティばかりにかまって貴方は………」 「ほら、今まで構ってやれなくて悪かったな。これで許せ……………………………おぉ!?スマン!」 普段ならしない抱擁と頬へのキスを簡単にしていた。俺はすぐに気付き、慌てて離れ、スティアの隣に居る凛に目を向けた。と、いうか、もしかしたらスティアは自分の能力に気付いているかもしれない。 【状態把握(ステータス・キャッチ) 視界に入れた人をその時点でのその人の状態を即座に判断し、対応できる。使用時には、瞳が赤く染まる】 いつか俺が困ってたときに近づいてきてくれたのは、この能力が有ったからか。 「どうしたの?お兄ちゃん、あたしの頭の上なんか見て。なんかついてる?それとも、能力でも見えているのムグッ!」 まぁ、この事を皆に悟られたくないので、口を塞がせてもらった…………手で。 次に俺は、凜の口と頭を押さえながら、ユウに目を向けた。 【残骸の再生(リ・ボーン) 残骸から、元在ったものに再生する力。元の形さえイメージできれば、いくらでも再生できる。生命等は、すべての構造を理解していないとできない。】 【ポキッ】 あ!?やべぇ………………凜の髪飾りが勢い余って折れてしまった。 「あ!お兄ちゃんからもらった大切な髪飾りだったのに………………」 凜が泣きそうになってしまっている。 「ほ、ほら、髪飾りくらいいつでも買ってやるから泣くなよ、な?」 「うぅ~この髪飾りお気に入りだったのに…………」
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