最終章 全てがハッピーエンド!……………あれ?

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凜が床に座り込み、嘆いていると、何処からともなく手が伸びてきて、折れた髪飾りを持っていった。 「………かして………」 見かねた様子でユウが髪飾りに手を置き、目を閉じる。 【ポゥ………】 ユウの手の中から暖かい光がこぼれ、暫くすると、新品同様の凛の髪飾りがあった。 凄い…………これがユウの能力か………… 「ありがとう!助かったよ!」 感心しながらも横目にユティの方に目を向けてみると、やはりabilityの欄があった。 【傷付き、傷付ける羽根(インジュリィズ・フェザー) 黒き翼は嘘と悪意に反応し、触れたものを八つ裂きにする。】 なるほど………初めてユティと出会ったときに言われたのはこの能力のことだったのか。 で、相手が嘘つきだと分かると、自分も相手も傷つく…………と。 「それにしても、何時見てもユティの翼は綺麗だよなぁ…………」 「なっ!バッ!いきなりなに言い出してんのよ!」 【ブン!】 黒い翼で俺に触れてきた。これは…………モフモフしろということか?では、遠慮なく。 「あ、ひゃぁ!ちょっ………翼はダメ!」 ユティはへたへたと床に座りこんでしまう。近付いていくと 「今は少し放っておいて!」 少し怒り気味のようだ。 なので、ユティは少しそっとしておいて、リリィの方に目を向けて、頭上を確認する。やはり、在った。 【夢幻の器(ファンタジック・キャパ) 夢と幻を司る精霊の限界を超えてそれ以上のことが出来る。つまり、何をやっても許容量を越えない】 え~と……………つまり、夢幻と無限を掛けてあるってことか? うん、能力的には凄く利便性があると思う。 「さっきからどうしたのじゃ?皆の頭ばかり見上げて、不自然じゃぞ?」 「あぁ、悪いちょっと考え事をしていた」 「ふむ、考え事とな?」 「あぁ、いいんだ。俺が勝手に解決したから 」 やっぱ、不自然だったか………… ふむ、全員分見終わったと思ったが、まだ見ていないのがあった……………そう、自分だ。 凛に鏡を貸してもらい、自分の頭を見ると、やはり出ていた。 【嘘からでた真(truth from lie) 嘘もつき続ければ真となる。また、真にするだけの力を備えるようになる。必要なのは、イメージ力。基本的に嘘を言わなければ発動しないので、起こりそうにないことを思い浮かべなければならない】
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