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「なぁ、何で帰る方法は無いんだ?歴代の勇者の中にも帰る人はいなかったのか?」
ユリィは、俺に申し訳なさそうに言う。
「すいません、過歴代の勇者様は皆様揃ってこの世界で順応していくうちに、帰るということが頭から無くなってしまったようなのです」
「あ…………そうなんすか~…………って!納得できるか!」
「まぁまぁ、彼女も悪気があったわけじゃないし、その位受け止めてやれよ!」
自分の家に帰れなくなるのがその位なのか?ってか、ひょっとしてコイツ…………?
「何?お前帰りたくない、みたいな?」
真也は、一瞬硬直した後に、
「い、いや~?か、帰りたくないわけじゃないよ?ただ、このまま帰ったら、あのつまらない生活に戻るのかな~って」
そうか……………歴代の勇者ってこんな感じで駐在してそのままやりたいことやってから亡くなったんだろうなぁ……………この世界で。
それに、と真面目な顔をして真也が続けた。
「自分が守った世界を少しくらい見守っても、罰は当たらないんじゃないかな?どうしても帰りたい?」
「ああ、まだ向こうの世界にやり残したことがあってな。それに、“帰る方法はユリィが持っている”しな」
「分かりました。その、向こうの世界でやり残したことというのが大事なのであれば、私は全力でお手伝いします。帰る方法は有ります。無いと言ったのは出来そうもなかったからですが、うも言ってられません。とはいえ、そのためには時間も必要なので、レイ様は、見たところ学生なので、学園に通ってみてはどうですか?学園は北の町に有ります。」
やるじゃん!俺の“ウソ”。
まずは学園とやらにいってみるか。
~北の町 スーノ~
到着すると、金髪の女の子が話しかけてきた。
「あら?貴方見ない顔ね、この町は初めて?ここは北の町 スーノよ」
う…………う~ん……………お約束みたいな?
こんな感じのキャラロープレでいたよね~ って!そうじゃないや!
「すいません、学園って何処ですか?」
「あぁ、それならあの柵の向こう側よ」
「ありがとう!早速いってみるよ!」
「あ、ちょ…………ちょっとぉ!もう!知らないんだから!」
~学園都市 ユニバーサル・シティ~
町のなかに都市があるっていうのもなかなか……………………
「貴様!何をしている!ここは今は春休み中だ!学生証を見せてもらおう!」
へ?春休み?学生証?
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