第一章 発端…

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「お前なんか、もう要らないんだよ!」 「そうだ!出ていけ!」 「おまえなんか、生まれて来なければよかったんだ!」 「死んでしまえ!死んでしまえ!」 ヤメロ………………ヤメロ…………やめてくれ!何でだよ! 救ってくれって言うから、力をつけて、満身創痍で魔王を倒して、何で石をこんなに投げられなきゃいけないんだよ! どこの村も同じように俺を嫌って、酷ければ斧を持ち出す人もいた。 そんななかで、俺を召喚した巫女が帰る方法を編み出したという。 そして、連れてこられた先は、最初に召喚された、魔方陣だらけの部屋。 「そんなわけで、民の沈静化を図るべく、貴方にはもといた世界にかえってもらいます。」 「そんな!俺はまだこの世界を少しも見て回れてないんだ!もう少しだけでも時間をくれないか!?」 「むりです、もう、魔法は発動してしまいましたから」 「クソッ!何でこうなっちまったんだよ!!!」 こんなことなら、勇者になんてならなかゃよかった、注目なんか、集めなければよかった、戻ったら、平和に暮らそう。 今でも頭のなかに響く、あの人々の罵声……………… 「シネ、シネ、シネ、シネ、シネ、シネ、シネ、シネ、シネ」 ヤメロ………………もう本当に止めてくれよ!
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