第二章 これから…

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~side零~ 再び魔方陣が光ると、真也がいた。 その後ろにはバカでかい鳥が…………… 強そうである。 ユリィがまた眼を丸くしている。 「ふ…不死鳥じゃないですか!凄すぎです!」 と、ユリィが眼をキラキラさせながら言った。 そんなやり取りをしているうちに俺はそそくさと魔方陣の上に立つ。 すると、足元から急に強い光が! なにこれ!?吸い寄せられる!またかよ!? ~???~ どこだここ?空は青のままだけど… 正面を見てもただ草原が広がっているだけ…………… よくわからないので、とりあえず散策していると、綺麗な見るものを引き込むような美しい黒い翼を持つ紫の髪をした美少女が歩いてきた。 っと、泣いてる? 「誰もアタシのことを見てくれない…こんな翼なんか…要らない!」 何か大変なことになってそうだな~なんて見ていると、ナイフを取り出し、自分の翼に向けて…ちょっと待て!?あんなに綺麗な翼なのに!? 少女の腕をつかみ、ナイフを腕で弾き飛ばした。 「!?邪魔しないで!」 「やめろって!何で翼を切り落とそうとしてんの?」 出来るだけ優しく声をかけてやった。 「アタシは生まれつき堕天使なの…天界の皆は翼しか見てなくて…迫害されて…………だから、邪魔しないで!」 そういって俺の腕を振り払った。 似てる…………誰も話なんか聞いちゃくれない………………でも、そこで逃げたらもっと話聞てくれなくなっちまう……………そんな無限ループの中に閉じ込められてるんだ。 「まぁ、落ち着けよ!ほら、暴れんなって!」 彼女の細い手首をガッチリとホールドして、話を聞く体勢にする。 「どうして見ず知らずのアタシを助けようとするの?」 「似てたから……………………かな?俺に」 彼女はクスクスと笑い、俺の目の前に漆黒の翼を差し出す。 「翼に触れてみて?」 ん?随分と急だな………………………… 【スッ】 何かあるのか? 「な!?何で触れるの?」 状況が理解できない。 「いや、触れるだろ普通。え?まさか何かあるとか?」 「うん………………悪い心の持ち主なら、アタシの翼に触れた瞬間八つ裂きだったのに…」 怖いわ! 「やっと話を聞いてもらえる!」 そういうと、彼女は俺の胸元に顔を埋めて泣いた。 俺にはなだめてあげることしかできなかった。
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