第二章 これから…

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あの馬車爆破しても怒られないような気がするのは俺の気のせいだろうか? くそぅ、魔法の射程圏内を離れてしまったか。もう肉眼では見えない。 まぁ、なってしまったものは仕方ない。しばらくは景色を楽しみながら歩いていくとしよう。 ~十分後~ しばらく歩き続けたのだが、いけどもいけども景色が代わり映えせず、飽きてきた。 右を見るとゴツゴツした大きな岩がひとつ。 その周り全てを雑草が取り囲んでおり、左を見ると青々とした草が覆い茂っていた。 空は生憎の快晴、春の陽気とでも言うべきか、ジリジリと体力を削って行く。 そんなとき、変化は訪れた。 【キュイイイイイイイン!】 目の前の地面に薄紫色の魔方陣が出現し、光りだした。 良い予感はしないので、急いで右にあった大きな岩の影に隠れて様子を見た。 魔方陣の光はだんだんと弱まり、中から人が出てきた。 「ん、んん、はれ?ここ、どこ?」 妹が何故かそこにいた。 【クンクン】 「あれ?お兄ちゃんの臭いがする……………………そこの岩陰かな?」 まずい!どんどん近付いてくる! 「あは♪お兄ちゃんみーっけ!」 【ガシッ!】 「よ、よう凛、元気だったか?」 凛は怒りながら、俺の腕にしがみつく。 「もう!心配したんだからね!丸一日失踪なんて冗談キツいよ!」 「おっと!悪い悪い、で、どうやって帰るのかな?」 帰れるのなら、その方法があった方がいい。来た方法があるなら、帰る方法だって……………… 「え?帰る方法?知らないよ?」 「え?なら、どうやってここまで来たんだ!?」 「ジャーン!この黒魔術の本に書いてあった通りに陣を描いて、お兄ちゃんを想像したら、ここに来れたの」 まさか、俺の勇者時代にメモした魔法の数々を読まれるとは…………………………。 仕方なく、俺はこの世界のこと、今の状況を簡単に説明した。 ~十分後~ 「うん、なんとなく分かったよ!つまり、そのお城を爆破すれば良いんだね!?」 いやいや、なぜそうなる!? 「いや、俺達が先決すべきはこの先に見える町への到着だ」 「うん、分かった!」
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