第二章 これから…

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~一時間後/西の町 エスウト~ 「しゃあ!ついたぁ!」 ここまでの道のりは、魔物に遭遇しなかったのが、幸いだった。 おかげで、使い魔の彼女達と、妹が仲良くなれたみたいでホッとした。 とはいえ、彼女達を召喚してからは俺が話す人がおらず、辛かった。 まぁ、なんにせよ、ついたものはついた! 「さて、町に入る前の大きな門をくぐってきたものの、すげぇなこりゃ!」 「そうだね!これは………………」 「下界ってこういうものなの?」 「そうじゃのう、なかなか楽しそうじゃ」 今、俺達は目の前に広がる市場の大きさを目の当たりにしている。 そこは、ものすごく賑わっていて、魔王の驚異など微塵も感じさせなかった。 そこかしこから香る肉の丸焼きの匂いや、パンの焼ける匂いが俺の腹を刺激した。 【グ~】 俺の腹が鳴った。 「おぉ、すまん、腹減ったもんでな!」 「そうじゃのう、まずは宿屋でも見つけるとしよう」 「あれ?お兄ちゃん、お金なんか持ってるの?」 あれ?そういえば、貰ってない! 「何焦ってるの?まさか………………?」 くそう!困ったな!あれ?待てよ?あの袋は………………? お俺は慌てて兵士のおっさんに貰った袋を開けてみる。 中には銅の硬貨が12枚入っていた。 「お金の価値は分かるの?」 「いや、悪いけど俺にはわからない」 「アタシも知らないわよ?」 「妾も知らんぞ?」 むー……………… 「まぁ、ここでうだうだしててもしょうがないし、宿屋を探してだいたいいくらくらいなのか、聞いてみようぜ?」 「うむ、それがよかろう」 「そうだね!」 「ええ、構わないわ」
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