第二章 これから…

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一日だけ猶予は貰ったが、その間に俺が仕事につかなくては、俺はともかく、凛が野宿するはめになってしまう。 それだけは避けたいので、明日から仕事を探すことにする。 ~エスウト/宿屋/レイ(凛)の部屋/夜~ 大分歩き疲れたため、寝ることにした。 っと、その前に……………… 「始まりの無よ、その汚れなき姿を現せ!<ディルト・バニッシュ>!」 白い魔方陣が俺の足元から上に上っていって身体中の汚れを全て消し去る。 やはりこれをやると、スッキリする。 「すごーい!よごれが全部消えちゃった!」 隣で見ていた凛が感嘆の声をあげる。 「え?あぁ、すごいだろ?なんなら、汚れを取り除こうか?」 「あ、うん、お願いするね!」 「よし、わかった!<ディルト・バニッシュ>!」 この世界で通用するかは分からないが、異世界 トラスではこのように詠唱を頭のなかで済ませ、魔方陣を展開させて、魔法を発動させる技術を“詠唱破棄”と読んでいた。 さっきと同じように、白い魔方陣が凛の足元に展開して、凛の体を綺麗にしながら上っていく。 「すっごーい!気持ちよかった!またお願いするね!」 「ん、いいぞ、まぁ、明日は仕事探しだから、早く寝なさいな」 「はーい!」 ~エスウト/レイ(凛)の部屋/朝~ あれ?夢の中に呼ばれずに朝を迎えたか……………………まぁ、いつでも呼べるようになったし、疲れをとらせてくれるっていう意味合いもあるのかな? 【モニュン】 あ?何か手に当たったような……………………? 【モニュンモニュン】 「ん………………んん…………」 そのての当たってる方から、妹の声が聞こえ気がした。 【ガバァ!】 俺はすぐさま布団をはぐった。 「ひゃう!まだ寒いよお兄ちゃん!」 隣に、凛が居た。 「なぜここにいる!?この部屋はベットが二つついてるだろ?」 「全然知らないところに来ちゃって不安な妹になにもしてあげないつもり!?」 勝手に来たのになんかおかしくないか? まぁ、これも俺が失踪したのが原因だし、これくらいは譲歩してやるか。 「そうか、不安だったんだな…………よし、わかった!起きよう!」 それで、仕事見つけて早く部屋を二つ借りて、リリィ、ユティ、凛の三人で一緒に寝させよう。
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