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~エスウト/宿屋/ロビー~
「おや、早いね!さ、ご飯はできてるよ、食べていきな」
確かにテーブルには、パンと肉の丸焼きと、牛乳が………………
「すいません、バターとかってないんですか?」
「なんだい、そのバターってやつは?」
「この、牛乳を使って作るんですよ!」
凛がそう言いながら、牛乳のコップを持ち上げた。
「これ、平均質化の処理してないですよね?だったら、数日放置してみては?」
「なんか、ドロッとして汚いのが浮いてくるじゃないか!」
「それが重要なんですって!」
何故か料理以上のことができる妹にもう驚きはしなかった。
この前何故そんな知識が必要なのか聞いてみたところ、お嫁さんになってあげたい人が居ると言っていた。
そんな風に思って貰える人が居るなんて、そいつは幸福者だなぁ……………………
まぁ、妹の好きな人のために、早く帰る方法を見つけてあげなくては!
で、会話を聞き逃していたが、どうやら、女将に気に入られ、凛はこの宿屋で働くようになったようだ。
「んじゃ、俺もボチボチ仕事探しにいってきますかねぇ~。あ、そうそう、女将さん!妹のこと面倒見てもらっていいですか?」
「むしろ、こっちが面倒見られそうだよ!いいさ、行ってきな!」
「うん、行ってらっしゃい、お兄ちゃん」
「おう~んじゃ、ちょっと行ってくるわ」
そう言って俺は宿屋を出た。
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