第三章 ギルド

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~西の町エスウト/草原/馬車の中~ 「とりあえず、大丈夫か?」 「はい、助かりました。」 良かった、無事みたいだね。 「何でこんなところにいるの?確か、図体のデカイ、おっさんと一緒だったよね?」 そんなことを聞いてみると、彼女は眼を伏せながら、言った。 「実は私、売られたんです、彼に。この首輪を見れば皆分かるんですが…」 彼女の首を見てみると、確かに首輪があった。すいませんね、常識なくて……………。 「で、何で君はこんな街道に?」 「わたし……………売られにいく予定だったんです。」 と、さらに少女は続けた。 「けど、途中で盗賊の人達が襲ってきて…私は商人に見捨てられて…」 聞くのが辛くなったので、本題に入る。 「それで、これから行くあてはあるのかい?」 わかってはいるけど…………………。 「ありません」 だろうな……………………… 「なら、俺と一緒に来ないか?」 なるべく優しく言ったつもりだ。 「はい!ご主人様!」 そう言った瞬間、彼女の足元が青白く光った。 なぬ?俺が…………………ご主人様? てか、今契約だったのか? 「むず痒い気もするが、いいだろう、てか、奴隷の首輪って斬れないの?」 「ご主人様の許可があれば…」 「よし、すぐに断ち切るぞ!その首輪!どうすれば切れる?」 「ご主人様の魔力をこの首輪に込めてください。」 フンヌッ!【ピシッ】…お?もう少しかも。 もっとだ!…………【バキィ!】…首輪が砕け散った。 「でも、良かったんですか?私がご主人様のお金を全て盗んで何処かへ去ってしまうかもしれませんよ?」 「キミが幸せになれるんだったら、いつでもくれてやるさ!けど、今は、ちょっと金欠気味だから、やめてほしいな」 ハハッと笑いながら臭いことを言う。 「ご主人様………………」
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