第一章 発端…

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二人は違う意味で驚いた。 俺は勇者という単語に、そして真也はおそらく言葉がわからないのだろう…俺は翻訳の首飾りというものをトラスで貰っているから、この言葉は分かるが。 「あ、すいません、翻訳の首飾りを渡すのを忘れていました。」 勇者の召喚をしたときに、言葉が通じないことをもどかしく思った先代が、首飾りを作ったというのが、トラスでの説明だった。 と、いうか、俺も、英語が日本語に翻訳されて聞こえたときは本気で便利だと思ったが、まさかこんな異世界でも、通じるとは……………………。 真也と俺が直径5センチほどの少し大きめな石がついた首飾りを付けると、さっきの金髪の女の子が話しかけてきた。 「聞こえますよね?では、改めて聞きます。勇者様はどちらですか?」 「こいつです」 と、さっと真也を差し出す。 「え?オレ?」 俺は真也に耳打ちをした。。 「(もし、ここで英雄になれば、モテモテかもよ?)」 「(そうか、じゃあ、やってみようかな!)」 「こほん………………で、お名前を教えてもらってもよろしいでしょうか?」 「俺は鈴村零だ」「オレは佐藤真也だ。ところでお嬢さん、君の名前は?」 「私はユリィ=フロラと申します(二人ともカッコイイ…///)」 真也はやっぱすげえな!一目惚れさせるのは全世界共通ってか! 「で、勇者の件だけど……………」 と、俺が話し出すと、ハッとなって 「国王様に会っていただきます。」と、返された。
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