第四章 勇者が絶体絶命!?

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今、ドラゴンと対峙しているのは 可愛らしい女の子5名と、屈強そうな男2名である。 その中に、零のパーティーメンバーである凜、スティア、ユティがいた。 彼女たちは魔法を使いつつ、ドラゴンを牽制していた。 そして、信也と、ミケ、さらに始終無言だった斧のような、槍のような武器を持った男とともに直接攻撃をしていた。 さらにもう1名信也のパーティーからで、弓を使うエルフと思われる耳の長い少女が涙眼で弓矢を乱射していた。 こうして会って間もないにもかかわらず、上手く彼らが陣形を組んでいると、防戦一方だったドラゴンが動き出す。 尻尾を振って前衛を動き難くし、さらにブレスで焼き払おうとする。 しかし、水の壁が下から噴き上がり、ブレスを無効化する。 尻尾は、残念ながら信也だけ受けきれなかったようで、吹き飛ばされる。 「大丈夫!?」 誰の言葉か分からないが、彼を心配する声が何処からか上がる。 ~side 真也 in精神空間~ ちくしょう………何でこんな痛い目に会わなくちゃいけないんだ……… さっきのピエロみたいな男にも負けちまうし………こんなので世界をほんとに救えるのか? 絶対できっこない………じゃあ、どうすればいいんだ? 「力が………欲しいか?」 なんだ?どこから聞こえてくる? 「今一度問う……力が………欲しいか?」 もちろん! 「ならば、何のために力を振るう?」 守りたい人が………いるから! 「………………合格だ」 ~ドラゴン前/side 真也~ “何か”と対話したあと、オレは力がみなぎるのを感じた。 いまなら………やれる! 「ハァァァァァァ!」 ズバァッ! 今まで通らなかった刃が、ドラゴンの皮膚を突き破り、肉を切り裂き、骨まで叩き斬った。
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