第一章 発端…

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~国王の間~ まさに豪華絢爛。その言葉がふさわしいほどキラキラした部屋の奥には、厳格なオーラを放つ王がいた。 「おお、よくぞ来てくれた!待っていたぞ!」 くそが!人を勝手に召喚しておいて、待ってただと?ふざけるな!謝れ!と、言おうとも思ったが、こんな兵士に囲まれた状況で、相手が魔法を使ってくるとなれば厄介なことこの上ないのは分かっていたので、言わなかった。 「で?アンタらはオレらに何させたいわけ?」 代わりに真也が国王を指差し問う。 「きさま!国王様に向かってなんという無礼を!」 そばに控えていた男が、剣を抜こうとする。 「よいよい、こちらの方たちはこの国の、いや、世界の命運を担う勇者様であるぞ」 いや、まだ決めてないんだけどな………………。 「で、本題なのじゃが、お主らにはこの世界を救ってもらいたいのじゃ。」 「ほう?どうやって」 世界を救う。それがどんなに大きなことで、どんなに辛いことかきっと知らないよな。 国王は鼻をフンと鳴らせ、言った。 「なぁに、簡単なことじゃよ。まず、この国の北の町よりもっと奥。ずっといった先に魔王の城というものが最近になって発見されたのじゃ」 「ほう、で、その魔王の城とやらには探索には行ったのか?」 真也が少し興味深そうに王の話を聞いたあと、質問をした。 すると、王が顔をしかめながら、 「向かわせはしたのじゃが、一向に帰って来ず、情報によると、もう………………」 と続けると、真也は怒ったような顔をしながら言う。 「で、そこで何でオレらを呼ぶことになったんだ?もう少し手があっただろうに」 王は真也の言葉に焦り、必死になって答えた。 「そうも言ってられないのじゃよ。この国は今、戦争の危機に直面しておる。」
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