第四章 勇者が絶体絶命!?

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~西の町/エスウト(森)/side零 ふぃ~一人って言うのも、久しぶりだなぁ………いっつも中にリリィがいたし…………って!誰だよ森んなかにこんな障害物置いたの! そう心の中でぼやきながら、俺はクエストの破壊対象である大岩を見上げる。 前は簡単に壊せたけど、今回は森の中のだし、どうもこの岩、大地から魔力を啜ってるような気がするんだよねぇ。 岩を壊したら、この岩に啜られた魔力が拡散して、周りの動物とかに影響を与えたらと思うと、ゾッとする。 仕方あるまい……………… 「生命の源たる魔力よ!我に宿れ![マナ・ドレイン!]」 魔力が青白い光になって俺の体を駆け巡る! うっ!体が………………パンクしそうだ。 よし、からになったこの岩なら、すぐに壊せる! 「我の前に立ちふさがる障害を塵に変えよ![マテリアル・ロスト]!」 あとは、この魔力をどうにかするだけ! 「魔力よ!大地へ戻れ![マナ・リバース!]」 さっきの青白い光は土へと返っていく…………… 「ほんとは、魔力の過剰接種の治療法なんだけど…………まさか、こんなところで役立つとはな……………にしても、誰だよ!森の中にこんな岩置いたの!」 「ギャハハハハハハハハ!オレだっつの!」 誰かが俺の作業を覗いていたようだ……… 「あん?盗み見とはまた行儀の悪い…………てめぇ誰だ?」 黒い帽子に黒いコート、黒い靴を着ていて、何よりも目立つのが、その悪魔のような翼だった。 「オレか?オレはなぁ………全ての悪の味方!ロクアってんだ!よぉく覚えとくんだな!ギャハハハハハハハハ!」 そう言って、ロクアは消え去った……… 一体なんだったんだ? まぁいい、考えていても仕方ない、依頼成功の報告だけして帰るか………… 【シュン!】 レイが転移した後は静寂しか残っていなかった…
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