第四章 勇者が絶体絶命!?

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~東の町/スートイ/宿屋~ 【シュン!】 「ふわ~終わったぁ!ただいま!」 「「「「「お帰り!」」」」」 俺はクエストの報告を終わらせ、宿まで来た。 うん………今日はもう疲れたから、寝てしまおう。 「ごめんな皆!疲れたから、もう寝るわ………おやすみ~」 と言い、すぐに部屋のベッドに入って考え事をした (あの、ロクアとかいう奴………何処かで会ったような?いや、まさか、あんな印象に残るキャラなら忘れるはずが………う~ん………ええい!悩んでても仕方ない!) 考えるのをやめると、すぐに意識を飛ばせた。 ~東の町/エスウト/宿屋~ 朝、目が覚めたので、廊下に出てみると、真也達がいた。 どうやら、同じ宿に泊まったようだ。 「じゃあ、俺たちは行くな。いつまでもここに居ても、魔王を倒せない…いや、人は助けられないしな。」 ふーん………魔王を倒したら人助け………………か、俺は石投げられたけどね。 「そうだ!レイに一つ聞きたいことがある。」 「答えられる範囲なら。」 「一緒に魔王を倒さないか?」 「断る!」 「理由を聞いていいか?」 こいつは……… 「俺は痛いのは嫌だし、目立つのは嫌だから。」 一番奥にあるこの理由だけは絶対に言わない。この心の痛みを知っていてほしいのは、親友ではなく、常に一緒にいる人たちだ。 だから、この胸の一番奥はさらけ出さない。 真也は主人公で俺は脇役。そんな関係だけで十分なんだ。 この手の届く範囲さえ守れればいい。 「まぁ、真也………お前ならやれるさ。」 肩をポンと叩く。瞬間にやはり例のお札を真也の体に入れる。 「そうか……そうだよな!よし!やってやるぜ!」 「うんうん、その調子だよ!」 ヘッ!ちょろいぜ! 「じゃーなー」 よほどテンションが上がったのか、気付いた時にはもう真也は居なくなっていた。
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