第五章 脇役を決意した日

6/12
前へ
/128ページ
次へ
とにかく今はこの無限ループから抜け出さなくては! 「分かったから、蹴るのやめよう?な?痛いから」 「う………うん」 やっとおとなしくなったか…………まぁ、下着のみの女の子に蹴られるというのは、眼の保養になるというか、「ご馳走さまというか…………」 「なんのはなし?」 ふぉっ!?考えが口から漏れていたようだ。 注意しないとな。 「いや、眼福だったんでつい」 なんでそうなる!?いい加減にしろよ俺! 自分の格好に気づいたのか、恐る恐るユティは、自分の姿を確認し……………… 「あ………………恥ずかしい!」 【パタッ】 あ……倒れた。 って…………倒れたぁ!? 「おーい!誰かユティに服を着せてやってくれ!」 「ハイハーイ!あたしがやるよ!」 おう、頼りになる妹がいて、兄としては嬉しい限りだ! では、俺はこの辺で………店の外で待つか。 「あ、待ってお兄ちゃん!あたしのことまだ評価してくれてないよ?」 妹の服を評価しろと? 「おー、可愛い可愛い、特にその花柄が似合ってるね!ではこの辺で………じゃな!」 【ガシッ】 うん?何事? 「まだよ………まだ足りないわ!そんな少ない言葉であたしを攻略できるとでも!?」 イヤイヤイヤ!何攻略って!?何言ってんのこの娘!? 取り敢えず、俺がここにいるのはマズいような気がする! 適当にあしらう位しかないか。 「凛、お前は本当に可愛いな、いつも気が利くし、優しいし、本当に感謝してる。」 適当って言ったじゃんか!? 【ポッ………パタッ】 え?また倒れたの? さて、もう他に何も俺の道を塞ぐものはないな。
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1199人が本棚に入れています
本棚に追加