第一章 発端…

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「ほうほう、それで人材不足と他の国への抑止力の一石二鳥で自分達には一切の負担は無しか。美味い話だなオイ」 真也に言われてしまった王は、本気で頼み込んだ。 「お願いじゃ。主らの要求は叶えられる範囲で叶えようと思う。」 叶えられる範囲…………………………初対面なのによくこんなことが言えるもんだ。 「はぁ…………………………しょうがない!ただし、コイツ、レイだけは巻き込ませたくない。じゃあ、一つ目のお願いな。この鈴村 零をちゃんとした場所へ送ること、そして、そこで安定した生活をさせること。いいな?」 「で、では………………?」 真也は周りを見渡して、最後に泣きそうな王を見てにっこりと微笑みながら、 「あぁ、成ってやるさ!勇者とやらに!」 「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」 これが、真也の頭の冴えたやり方でいつもいつも真也を盾にしながら俺は生きてきた。 これでいいんだ。これで、安定した生活ができる。 「ほら、行こうぜ?」 ポンポンと俺の肩を真也は叩く。 「ありがとう」 そう、自然と口から言葉がこぼれた。 俺たちはレッドカーペットの上をゆっくりと歩いていき、廊下へ出る。 ~ディレク城/廊下~ 「はぁ~、国王相手に脅しかけるとか、やっぱ緊張するな」 「いや、俺はその度胸に緊張したよ」 「まあ、そう言うなって、全ては女性と付き合うためだ!」 まだその野望あったのか。
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