第五章 脇役を決意した日

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~東の町 スートイ/宿屋/屋根の上~ クソッ!俺のせいで、ミケがあんな瀕死になったんだ! けど、今さら勇者代わります。なんて言えないし。 だったら、俺の責任としてアイツらを影からサポートしてやるのが筋ってもんだよな………。 けど、サポートするにしてもいったい何をすればいいのやら…。 「フフーン困ってるみたいだね!お兄ちゃん!」 声のした方を見ると、凛がいつの間にか隣にいた。 「ああ、少し………な」 「嘘、本当はすごく困ってる。今すぐにでも誰かに助けを求めたいくらいに。違う?」 何もかもお見通しってわけか 。 ならもう開き直るしかないな。 「ああ、そうだよ、すごく困ってる。だから、助けてくれないか?」 「フン!最初からそうやって言ってくれればいくらでも私達が相談にのってあげるのに。」 達? 「そうですよ~ずくさい」 「全く、妾にも相談せぬとは何事じゃ!」 「………黙ってるのは…………ダメ………」 「こんなにも仲間が居るんだから、相談してくれてもいいじゃん!」 全く………良い仲間をもって幸せだよ、俺は。 「よし、じゃあ俺の全ての責任を話そうか……先ず俺はこの世界の人間じゃない。異世界から召喚されてきた。その時勇者として突き出したのが真也だった……………………」 ~1時間後~ 大体しゃべったおかげで、なんかスッキリした。 俺が勇者の責任を押し付けたこと、そして今でもその責任から逃げようとしてること、だけど全力でサポートしてやりたいこと、すべて話した。 「何でそんな重要なこと話してくれなかったの……………」 「ただ、巻き込みたくなかったから…………かな」 本当にそれだけだった。 「カッコつけてんじゃないわよ!」 【ゲシッ】 「イッ!?いつつ………なにするんだよ!」 「そんなくだらないことで心配させられてたこっちの身も知りなさいよ! 【ドスッ】 「ウッ!…………心配…………してくれたのか?」 「え?あ、その、うん」 「ユティちゃんなんてお兄ちゃん部屋にいないって分かってからずっとオロオロしてたもんね」 うわ………すげぇ嬉しい 「ありがとな、もっと早く相談しておくべきだった」 言いながら、頭を撫でる。
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