第六章 脇役にできるコト

4/8
前へ
/128ページ
次へ
sideスティア ~正義の町 ジャスティ/結界内~ 私は今、結界の中で私の師でもあるリリィさんと一緒に、ガストさんを修行しています。 もちろん、変装をしています。仮面をつけただけですけど、 彼には言いにくいのですが、ただ力任せに槍を振り回しているだけだったので、一から叩き直しています。 「そこは、もっと腰を落として、勢いを付けて突進してください!ああ、もう!こうですよ!見ててくださいね?」 私はガストさんの大槍を貸してもらい、リリィさんに岩を土を盛り上げて岩をつくってもらい、その岩を貫きます。 【グシャァ…………ガラガラ】 ふぅ、なかなか教えるというのも難しいです。 「ほれほれ、休んでる暇はないぞ?」 リリィさんもガストさんを急かします。 「槍というのは、リーチが長くて、一対一でも、多対一でも活躍できる武器なのです。しかも、それが大槍というのであれば、もっとその特徴を活かせるでしょう。あとは、機敏性の問題ですね。」 いっぱい喋っちゃいました。 「なら、その辺をお主は槍を素振りしながら、走るがいい。」 ガストさんにリリィさんはピシャリと言いました。 ちょっと可哀想です。 「これは拙者への試練でござるな?コレさえ乗り越えれば、幸せが待っているでこざるよ!」 すごい速さで走って行っちゃいました。 さて、ユティさんはあの気弱なエルフさんと、上手くやっているでしょうか? Sideユティ ~正義の町 ジャスティ/結界内~ どうしようかしらこの子。 「うぅ………全然当たりません………コレだから私はブツブツ」 放っておくとどんどん自虐の海に溺れていってしまう………… 「あぁ!もう!いい!?ちゃんと狙いを定めなさい!そして、標的の射ぬかれた姿を想像するの。出来るでしょう?」 少しキツイ言い方になったかも……… 「ハイ!やってみます。」 【ヒュッ………ガッ!】 放たれた矢は、空中で加速し、的の真ん中に当たるっていうとんでもない光景を見せてくれた。 「やりました!出来ました!ありがとうございます。」 「あなたもやれば出来るんだから、頑張りなさいよ、じゃあ、今度は矢に魔力を通す練習からね…………」 ふぅ、ユウは大丈夫かしら?
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1199人が本棚に入れています
本棚に追加