第一章 発端…

8/12
前へ
/128ページ
次へ
「で、お前のその野望の理由には何かあるのか?ほら、女たらしな理由がさ」 「女たらし言うなし!まぁ、理由はないぞ?」 そんな話を廊下でしていると、ユリィが扉を開けて王の間から出てきた。 「どういうことです!?国王に脅しとは!」 真也がニコニコしながらユリィに言った。 「まぁまぁ、怒らない怒らない。どういうことっていってもなぁ……………………だって連れてこられた所が不平等すぎないと思わないか?だって、こっちは時間と労力をかけるのに、そっちは何もかけないで、ただ待ってるっておかしいだろ?」 まぁ、言っていることは概ね正しいな。確かに俺達には国王がどうなろうと知ったこっちゃないわけだし。 グッとユリィは黙りこんだ。 「あ、そうだ!もう一つのお願いを考え付いた!オレに修行を付けてくれ!そうすればこの先ちょっとはマシになるだろ」 真也が、閃いたと言わんばかりにユリィに近づいた。 「え、えぇ、まあ、それは考えていたことですので、そちらから言っていただけると助かるのですが」 ユリィは焦りぎみに話を進めた。 「まぁ、こちらも準備がありますので、本格的なことは明日やらせていただくということで、今日はどうかお休みになってください。あ、部屋も用意してありますので、私についてきて下さいね。案内します」 ユリィは、ツカツカと先に歩いて行ってしまった。 ~城/真也の部屋前~ 「さて、着きましたよ。ここが、真也様の寝室になります」 木でできた少し豪華めな扉を開けると、中は広く、天井には現代の蛍光灯とは行かないまでも、なかなかに明るいランプが点いていた。 「あ、レイ様のお部屋はこちらになります」 真也とは、ここでお別れか。 「ん、じゃあ、また明日な~」 「おう!じゃな!」 俺は真也にそう言ってから、先に行ったユリィに着いていく。 ~城/レイの部屋前~ 「こちらが、レイ様のお部屋になります」 へぇ、木の扉はさっきより小さめだが、同じような構造か。 て、中に入ってみると、埃っぽい木箱がたくさん積んであり、覗いてみると、剣、杖、弓等の武器や、鎧、盾、兜等の防具まで取り揃えてあった。 「って!ここ物置じゃねぇの!?」
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1199人が本棚に入れています
本棚に追加