第一章 発端…

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「嫌なら、別に外で寝てもらっても構いませんよ?まぁ、外は魔物や魔獣がうじゃうじゃいますけどね」 そんなこと言われたら、拒否権無いじゃん! 「あぁ、もういいですここで、お休みなさい」 「ようやく納得していただけましたか。こちらは真也様ほど頑固ではないようで何よりです。では、お休みなさい」 バタン!という大きな音をたてて扉を閉めながら、ユリィは何処かへ行った。 あのユリィって女、とんだ猫被りだな…………………… さて、少しやりたいことがあり、これは人に見られると困るので、気配を探る………………が反応は無し。 さぁ、始めますか、お掃除を! 「微風よ、我の示す軌跡を吹き抜けろ!<ブリーズ・コントロール>」 詠唱が終わると同時に俺の足元に緑色の魔方陣が現れ、指先から小さな風の渦が巻き上がった。 巻き上がった風を使い、部屋中の埃をかき集め、風の渦の中に閉じ込める。 後はそれを扉を少し開け、廊下に放り投げる。 すると、ピカピカだった廊下が少し埃っぽくなった。こんな扱いをされたのだから、少しくらい仕返しをしたって罰は当たらないだろう。 さて、後は風呂!と、行きたいところだが、生憎こんな扱いを受けているため、風呂なんて到底入ることなど叶わないので、洗浄魔法を使うことにする。 「始まりの無よ、その汚れなき姿を現せ!<ディルト・バニッシュ>」 詠唱が終わると、足元から、白い魔方陣が出現し、体についた埃や、砂などの汚れをすべて落とす。 これらもみんな、勇者時代に身に付けた技能だ。 と、いつまでも学ランでは居られないか! 無属性魔法の中に、亜空間魔法というものが存在する。 敵を亜空間の中に、閉じ込めてフルボッコにしたり、物を入れておくなど、使い方は様々だが、俺は亜空間魔法は、物を入れておく、所謂、四○元ポケットにしている。
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