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~西の町 エスウト/ギルド/会議室~
俺たちは一旦会議室に戻り、全帝が起こったことをすべて話した。
「なんやオモロそうなことおこっとったんやな!」
雷帝がそう言った。
いや、正確には言ってしまった。
会議室内の温度が急激に冷え、雷帝に非難の視線が向けられた
「なんやねん!ワイかて頑張ったんやで!雷をこう、手のひらに集めてな、薄く広げて円にして飛ばして、魔物40万体位は狩ったで!」
あ、そうだ、思い出した!全帝に文句を言わなくては!
「あ、その件なんですけど、俺達のところは魔物の数が少ないんじゃなかったんですか?」
俺がそう言うと、全帝は
「水帝がいたんなら結構楽できたんじゃないのか?」
と言った。
あの人バリバリ捕まってたんですけど…………ってまさか!?
ちらりと水帝の方を見ると手を振ってきた。
一応念話を飛ばしておく。
『もしかして捕まってたのって、わざとだったりします?』
『さぁ?どうだろね?でも、君の実力は見れたよ』
確定した。絶対わざとだ。まぁ、別に剣の件はいくらでも嘘つけるしな。
フェンさんには悪いけど、地面の砂鉄を電磁力で集めたって事にしよう。出来ないこともないし。
「いや、でも、全帝さん!あれは多すぎですよ!魔物500万体は!」
「はぁ!?ごひゃく!?オイオイ、流石に嘘はあかんで雷鳴はん!?」
嘘をついてどうするんだよ……………
「ハッハハ!まぁ良いじゃねぇか!それよりも、あの、オレが竜と戦ってたところに飛んできた剣は一体なんだ?」
「私も捕まったときにどこからか剣が飛んできたよ!」
あ……………これはまずいかもしれない。
ここは開き直って本当のことをいうか…………
いや、本当のことを言うのは止めておこう。
さっきはぐらかすって決めたばかりだし。
「ああ、あの剣は俺が投げました。」
「じゃあ、君は雷以外の属性も使えるってこと!?」
「いや、俺がやったのは、地面の鉄鉱石や砂鉄から、鉄を取り出して剣にしただけです。」
この辺が昔海だったらしくて、助かったぜ。
あと、ここに来る前にハマっていたアニメのおかげかな…………
「へぇー雷にも色んな使い方があるんだねぇ…………」
フェンさんはそう言いながら、チラチラと雷帝のほうを見ている。
「なんやぁ!ワイかてまだまだバリエーションいっぱいあるねんで!?」
長くなるようなので、聞かないようにする。
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