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今回は姿が見られるとまずいので、姿を見えなくする。
「我は誰の瞳にも写らず、故に我は跡を残さない!<透過>」
詠唱をしたのは、効果時間を長くするためだ。
よし!行くか。
【シュン!】
俺は転移をして宿屋の屋根から消えた。
~魔界/最果ての塔~
【シュン!】
ここが最後に出てきた塔ってやつか?
そこを一言で表すなら、不気味である。
空は薄紫で、ゴツゴツとした岩山がいくつもできていて、何処からかギャアギャアと鳴く声が聞こえる。
『気持ち悪いわね………さっさと終わらせて帰りましょ!』
『ああ、そうだな……………早く行こうか』
~魔界/最果ての塔/側近の間~
俺達がそこにたどり着くと、満身創痍の真也達が居て、フードを被った奴が、大きなシミターのような武器を降り下ろしているところだった。
真也は目を瞑っていた。
「クッ、もうだめだ!」
どうやら諦めたらしい。
俺は咄嗟に雷属性の魔法を放ち、真也にとどめをさそうとしてた奴を痺れさせ、さらに真也に強化の魔法をかけて、回復をさせた。
なんとか、この作業を10秒ほどで終わらせた。
「グァァァァァァァァァァァァ!何だ!?何なのだこれは!?」
「分からねぇ!分からねぇけど!これは!これだけは言える!オレの…………勝ちだぁ!!」
【ズバァ!】
真也が居合いのような形でフードを被っている奴を切り裂いた。
「グゥゥゥゥゥゥゥ!まだだ!こんな所で終わるわけには!」
フードがとれ、奴の姿が見えた。
「人……………間?」
そう、フードの中身、魔王の側近とやらは人間であった。
金色の髪が目立つ男だった。
「何で人間が人間を滅ぼそうとする魔王の側近をやっているんだ!?」
そう叫んだ真也に対して、苦しそうだが、淡々と金髪の男は喋り始めた
「グゥ!我はは幼い頃に捨てられ、魔王様に拾われた…………あの方はとてもお優しい方だった。まだやんちゃだった我にも時には叱り、宥め、甘えさせてくれた!だから、我はあの方の言うことには全て従った!そして、これからもだ!」
黙って聞いていた真也が1つ疑問を投げ掛けた。
「なぁ、アンタらのいる魔界ってところは侵略しないと住めないようなひどい状況なのか?」
魔王の側近が少し得意気に話し始めた。
「フン!そんなはずがなかろう!あの方が政をしているのだぞ?」
あれ?じゃあ、何で人間界に攻めてきたの?
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