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その周りには大量のCDたち。
とても古い時代のクラシックやジャズのもので溢れていて、楽譜も今では珍しい、手書きのものが飾られていた。
店内に流れているゆったりとした音楽は、ショパンのバラード第1番。
私の大好きな音楽が詰まっているこのカフェを、すぐに気に入った。
「あ、いたいた」
私が店内のことに夢中になっていると、目的の人物を見つけたのか、窓際の一番奥の席に向かって手をあげた春日井先生。
私も一度、音楽から離れて春日井先生の後ろを歩いていく、と。
その眼鏡の奥の鋭い瞳とばったり視線が絡まり、明らかに嫌悪感を抱いた表情に。
あ、と思わず声を漏らした。
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