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「ぐはーっ」
「顔と口から出てるものがミスマッチすぎるよあんた」
4時間目のチャイムの音を耳にした瞬間、机に項垂れて変なため息を吐き出す。
それを斜め前の席に座っていた愛花に横目で指摘された。
「あー腹減った!愛花!購買!早く行くよっ」
お昼のことが頭を過り、直ぐ様だるい体を起こしてカバンの中をかき混ぜながら、やっと見つけた財布を手にして。
うだうだ何か言っているヤツの首を掴んで一目散に教室を飛び出した。
「あー悠!ウチも!」
「ウチも行く行くー」
と、教室を出る間際に私と愛花といつも一緒にいる、いわゆるイツメンの2人が後ろから追いかけてくる。
いつもの光景に、1年の頃から変わっていないクラスは、いつもの様に賑やかだった。
廊下を走れば通りすがりの先生の声を背中に受け、他クラスの友達と目が合えば男女構わず、私なりの挨拶をかける。
自分で言うのもあれだけど、私はたぶん、しっかり華のJK生活を充実させているだろう。
私自身も今の生活に何の不満もなく、居心地のいい場所で平凡とも言える時間を過ごしていた。
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