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俺、浅梅 散は子供の頃の記憶がない。記憶がないと言うのは何故かは知らないが諸事情があるらしい。
それを聞かされたのは俺が中学三年を迎えてからだ。でも、記憶が無くても何も不自由なく生きていけるのは十分幸せだと実感している。
でもまぁ、数週間前までいた高校は母親の勤務先の都合上でマンガに出てきそうな不良高校に通わされてた現状であった。
それも束の間、母親の勤務先が変わりまた新たな高校へ編入する事となった。
そして今現在。
ここは新しい高校の廊下である。俺が入るクラスの担任の後ろに付いていく。
「このクラスはまとまりがあって、とてもいいクラスだと評判がいいんだ。すぐに友達が増えるよ」
「は、はぁ……。」
正直、すぐに友達が出来るクラスは好きではない。理由は簡単だ。無駄な感動場面が増えるからだ。
たかが数ヶ月過ごした仲位でお別れ会でボロボロと涙を零す奴等。いい迷惑だ。
でも、母親は当分この場所から離れる気はないと言っていたし仲良くなっといた方が得策かもしれない。
そうこうしている内に自分のクラスの教室の前にたどり着いた。
担任の先生に「少し待っていて」と廊下に待たされる。その一方でクラスの中から話し声が聞こえる。
『突然だが、このクラスに新たな仲間が増える事になった』
すると、生徒達がガヤついてきた。
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