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『誰だろうな。まさか超スタイル抜群のモデルとか!?』
『な訳ないでしょ。絶対イケメンよイケメン。頭脳明晰、スポーツ抜群、最高の肉体美を持つ最強高校生とか!!』
いやいやいや。どんだけ妄想を繰り広げているんだよ、そこの女子。生憎だが、馬鹿で運動オンチで、ガリガリの体型なのですよ。
『静かに。では入って来てくれ』
担任に言われる通りに前のドアを開けクラス内に入って行く。入って行くな否や女子達の熱い活声が響き渡す。
「やっぱり超イケメンだわ!!」
「最高、あんな男に抱かれたい…」
いきなりゾッとする言葉を発するなよ。マジでビビるだろうが。
「とりあえず自己紹介してくれ」
軽く咳払いをし、改めて口を開く。
「どうも、浅梅 散と申します。早く皆さんと馴染めるように頑張りたいです。よろしくお願いします」
軽く会釈をすると拍手が響き渡る。この光景は幾度なくされてるから慣れている。
「浅梅の席は……桜満の後ろが空いてるだろう。そこに座ってくれ」
桜満?えぇと……、窓側の一番後ろの席か。まぁいいか。授業中外見れるし。
自分の席の場所まで通る人々に「よろしく!」と声をかけられるが前の席の桜満だけは何も話し掛けてくれなかった。それはいい対応だと自分は思う。
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