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翔はガバリとはね起きた。
あたりを見回すと、どうやら自分の家らしい。荷解きをおえたらしいダンボールが山積みになっている。
「お、起きたか。」
父が障子からひょっこり顔をだした。
「僕、どうしてここに・・・」
翔は頭に疑問符を浮かべながら父の顔を見る。
「あのあと大変だったんだぞ。倒れたお前を父さんが病院に連れってな。
まあ、幸い軽い熱中症だったから良かったものの、あと少し見つけるのが遅かったら命を落としてたかも知れないって。
お前を見つけてくれた子に感謝だな。」
父さんは僕の頭をくしゃりとしてタバコを吸いに外へ出て行った。
「僕を助けてくれた子・・・」
知っている気がする。あのとき、僕を上から覗き込んでいた女の子。
きっとあの子だろう。
「ありがとう・・・」
僕は女の子に届くように願いながらポツリと呟いた。
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