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 「じゃあ、行ってきます」  「ちょっとネクタイゆがんでいるよ」  「あ、ありがとう」  「わたしは車で行くから、帰りどうする?」  「一緒に車で帰る」  「分かった、いってらっしゃい」  わたしはいよいよ高校生。県立東大山高校の理数科に無事受かることができた。普通科はまあまあらしいけど、理数科は県でも2、3番目に難しいみたい。わたしも結構受験勉強きつかった。でもわたしは昔からすっごく機械に興味をもっているんた。科学博物館をはしごするのも好き。将来村田製作所に勤められたらいいな、と思ってる。思ってるんだけど………、何かにつけてどんくさいわたし………。中学の成績はほとんど5だったけど、体育だけは毎学期毎学期交代ばんこで2、3がついていた。細かい作業も苦手。あんまり色んな人と話すのも得意じゃない。人みしり、そう、人みしりだけど、人みしってもあまり仲良くはできない。  高校生…か……、わたしはたぶんまたみんなにあまり馴染めないで終わっちゃうんだろうな…。ほら、電車の中を見てもみんなキラキラし、してる……。やばい……。高校に着く前にこんな状態だよ…、高校生活大丈夫かな……、いや、そもそも学校に行けるかな………。  「お~、舞~。おはよう」  あ、、、  「あぁ、お、おはよう」  中学でなんとか唯一色んなことを話せるようになった久美だ。久美は、県立京南高校の普通科。県立の中では2番目に賢くて、国際文化科は濃紺のブレザーとネクタイなんだけど、普通科は濃紺のセーラー服なんだけど、これがすっごくかわいいんだ。公立の学校の制服って基本ガボっとしていて古くさい感じだけど、京南は一人一人のサイズに合わせて制服が作られるらしいんだ。だからみんなすっきりしていておしゃれだな~って思う。やっぱり久美はこの制服が似合うなぁ…。  久美は……正直どうしてわたしといてくれたのか分からない。かわいいし、髪もきれいで、笑顔が素敵で、、、だけじゃなくて、性格も明るくて、みんなを和ませてくれて、優しくて、、、駄目なところが見当たらない。だから…だからどうしてわたしといてくれたのか分からない。  久美がいない高校生活なんて…考えられない……てか無理…です……。 久美はすごくキラキラしてる。久美は高校生活楽しみで楽しみで仕方ないんだろうなぁ…、以前京南にいる一つ上の先輩と付き合ってるとか言ってたし……。
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