封印

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生きていてほしいという願い。 だが諦めの気持ちがないといったら嘘になる。 この七年間、由美に関する情報が、1つもなかったのだから。 もう自分は大人になってしまう。そんなことを考えながら裕樹とのやりとりを思い出していた。 結局、裕樹の気に入った車は見つからなかった。駅までの帰り道、裕樹は車の話ばかりをし続けた。 「もう後は技能試験だけだから、免許取ってすぐ乗れるように、早く車買わないとな」 妙にテンションが高く、普段でさえお喋り好きの裕樹を相手にするのは疲れるものがあった。 裕樹とは同じ文学部で、授業で隣り合わせに座ったのがきっかけで少しずつ親しくなり、今では休日に会うほどである。 「おい、武」 武はハッと我に返った。七年前の事を思い出していたのだ。 「ああ、悪い。それで何だっけ?」
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