封印

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>>1 「私、小さい頃から霊感がものすごく強くて、何度も霊を見たことがあるんです」 画面の中で無邪気に話す人気女性タレントの言葉に、武は興味を示した。 ゆっくりと起き上がり、ベッドの上であぐらをかいた。 「本当ですか?」 司会者がわざとらしくタレントにそう尋ねる。 「ええ、一番最初に見たのは小学校三年生の頃でしょうか。 突然、夜中に目が覚めたんです。そうしたら自分の足下に、死んだはずのおじいちゃんが立っていたんです。 何か喋りかけている気がしたんですけど、何を言っているのかは分かりませんでした。 おじいちゃん?って私が問いかけると、フワッとおじいちゃんは消えてしまいました」 「怖くありませんでした?」 司会者が興味深そうに尋ねた。 女性タレントは首を横に振った。 「全然怖くなかったです。むしろ嬉しかったです。 私、おじいちゃん子でしたから」 「でも僕だったらビックリしちゃうな。 死んだはずの人間が立っていたら」
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