あたしの幼いキオク

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そう六歳。 幼稚園最後の年。 今まで仲良かったはずの、喧嘩もしなかったはずの、両親は 幼い僕にむかって ――――ママとパパは離婚するからどっちか選んで?―――― って 聞いてきたんだよね。 幼いながらに思ったよ。パパもママもどうして私に聞くの?って 六歳の僕にとってこの答えを出すことは究極に残酷なことだった。 だってどちらかを選んだらどちらかと離れなきゃいけないんだよ? どっちも大好きだった僕は悩んで悩んでこれでもかってぐらい悩んで 母を選んだ。 理由は簡単 ―――ママは女の子だから寂しがるでしょぉ? そのときの いまでも忘れられない お父さんの言葉 ―――絵理華(偽名)、 パパも寂しいんだよ? そう言った父の目はわずかながら潤んで見えた。
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