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リオネルド村にて
~プロローグ~
少女が、何人かの少年によって虐められていた…少年も少女も、まだ10~12歳位である。
「おい!何をしている!」
そこへ、たまたま通りかかった彼…少女や少年と同い年位の彼が、少女が虐められているのに気付き、声を張り上げながら近付いていく。…彼に驚いた少年達は、一目散に逃げていく。
「おい、待てよ!!」
彼は、正義感が強いのか、逃げ出した少年達を追おうとした……その彼の服の裾を、少女が弱々しく握って止める。
「……いいん……です………いつもの……事……ですから………」
今にも倒れてしまいそうな力の無い声で呟くと、少女は壁に寄りかかる。
「……もしかして…君……孤児なのか?」
少女のみすぼらしい格好を見て彼が聞くと、少女は頷いた。
「……そうか………」
少女が頷いたのを見ると、彼はおもむろに、少女の前に片膝をついてひざまずく……少女が不思議に思って見ていると、彼はこう言った。
「……僕と一緒に来ないか?」
彼は少女に優しく言うと、片手を差し出す。……少女は驚いた様に彼を見ていたものの、手を差し出されると、しばらく彼を見つめたのち、手を握る。
「(……この人なら…この人なら、私の事を、絶対に受け入れてくれる……)」
何故か、少女は彼を見ると、そう確信した……この人なら、私を捨てたりなんかしない……少女にはそう思えてしかたがなかった…………。
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